つい先日、実家の母から
家の電気が勝手に消えるの。どうしてかしら?
と相談されました。
くわしく話を聞いてみると、数日に一回、突然、部屋の照明がパッと落ちてしまうそうなんですね。
他の電化製品(テレビや冷蔵庫など)は平気なのに、リビングのシーリングライトの灯りだけが勝手に消えてしまうとか……。
母にとっては「電気」=「部屋の照明」という意味なんでしょう。
そんな「なんとかして!」というヘルプの声に、いっちょ時間をかけて調べてみた結果、部屋の電気が勝手に消える原因は、この9つでした。
- ひとつの蛍光灯・LEDの寿命が切れそうなため
- 照明器具の本体やスイッチの故障
- リモコンの誤作動
- 照明器具の寿命
- 電波の影響
- 隣の家(アパート・マンション)のリモコンに反応したため
- 「おやすみタイマー/スリープタイマー」が作動した
- 周辺の施設が一斉に大量に電気をつかう影響
- 落雷や台風の影響
結論からいうと、最も原因として怪しいのは「蛍光灯の寿命」です。
もちろん、それぞれの対処法も合わせてご紹介します。
自分の家で起こっている現象とどれが近いのか、ひとつずつチェックしてみてください。
ひとつの蛍光灯・LEDの寿命が切れそうなため
電気をつけてわずか数秒後に勝手に消えてしまう原因は、たった1本の蛍光灯やLEDが劣化している可能性です。
劣化とは、もう寿命が切れそうな瀕死の状態のこと。
天井についている照明器具(シーリングライト)は、インバーター型がほとんど。
インバータータイプは、1本の蛍光灯・LEDが劣化するだけで電灯全体が消えてしまうことがあります。
【対処法】寿命が切れそうな蛍光灯・LEDを付け替える
電気が切れるのを防ぐには、寿命が切れそうな蛍光灯・LEDを変えるだけでOK。
寿命間近な蛍光灯は
- 両端が黒い(直管タイプ)/一部が黒い(円形タイプ)
- 点灯するまでチカチカして時間がかかる
- 他と比べて光が弱い
といった特徴があります。
シーリングライトの蓋を開けて確認し、新品と取り替えてください。
どれが寿命なのか分からない場合は、1本ずつ外して点灯し、どれが原因となっているのか確かめてみましょう。
照明器具の本体やスイッチの故障
長く使っている照明器具なら、まず疑いたくなるのが本体の故障です。
もちろん、買ったばかりで初期不良の場合もわずかながらあります。
その故障部分とは
- インバーター部分
- スイッチ部分の劣化
大きく分けてこの2つが疑われます。
【対処法】メーカーに問い合わせる
使用期間が10年を越えていれば、故障が大いに疑わしいです。
ただ、蛍光灯の寿命が原因とも考えられるので、新品に取り替えてみて、まだ電気が勝手に切れるか確かめてみましょう。
もし、まだ切れるようなら、メーカーに問い合わせみます。
症状をくわしく話して故障が疑われるなら、修理にどれくらいの時間や料金がかかるのか訊ねてみましょう。
案外、修理よりも買い替えのほうが安くつくケースも多いですよ。
リモコンの誤作動
リモコンで電源をオン/オフする照明機器の場合、リモコンが故障して勝手に電源を切っている可能性があります。
あるいは、子供やペットがいたずらしたり、無意識に押している場合も……。
【対処法】リモコンをしまう
電気をつけた状態でリモコンは触れないように、どこか高いところへ置くか、触らないように引き出しにしまってみましょう。
もしそれでも電気が勝手に消えるなら、別の原因だと結論付けられます。
照明器具の寿命
故障や外的要因で電気が消えるのではなく、単純に照明器具が故障している場合もあります。
他の可能性をすべて潰して、最後に残るのがコレですね。
ただ、自分では判断しにくいので、最終的なジャッジは電気屋(修理業者)に委ねることになります。
【対処法】新品の照明器具に付け替える
言うまでもありませんが、照明器具の寿命で電気が勝手に消えるなら、もう取り替えるしかありません。
しかし、その場で電気屋や修理業者に言われるがまま、新しい器具を付けるのは値段やデザイン面で後悔する可能性が高いです。
一旦、そこは断って、自身で家電量販店で品定めしたり、ネット通販で安い商品を探したほうがいいですよ。
電波の影響
どこか外から届く何らかの電波によっても、電気が勝手に消える可能性があります。
たとえば、考えられるのは、こんなもの。
- 違法な無線(トラックや個人宅から発せられるもの)
- エレキギターのアンプ
- 工事現場のアーク溶接
このような電波発生源が影響し、電気が切れることもあります。
【対処法】雨戸を閉めてみる
電波は金属製の物体があると弱まったり遮断されます。
家に金属製の雨戸(またはシャッター)があれば、それを閉めてみてください。
それでも電気が消えることがあれば、原因は他にあると判断できます。
ただ、もしそれで電気が勝手に消える現象がなくなっても、いつも雨戸を閉めておくわけにはいきません。
しかも、電波の発生源をつきとめるのは難しく、よしんばつきとめたとしても止めさせるのも面倒が生じます。
電磁波をシャットアウトするカーテンという製品がありますが、携帯電話の電波も遮断するため、積極的にはお勧めできません。
値段も高価ですし、高価も未知数ですから。
隣の家(アパート・マンション)のリモコンに反応したため
照明器具の電源をON/OFFするリモコンは「赤外線」方式。
赤外線は人間の目には「見えない光」で、信号を出しています。
そのため、光を遮る壁は通り抜けませんが、光を通すガラス窓なら、通り抜けて反応します。
隣の家(アパートやマンションも含む)と近接する部屋なら、隣人のリモコン操作の反応を受けて、電気が消えてしまうことも十分考えられますね。
まして、照明器具は天井に取り付けられているので、家具などで遮蔽されず、反応する可能性は高いでしょう。
厚手のカーテンで窓を覆う夜間には起こらず、薄手のカーテン(もしくはカーテンなし)で過ごす昼間に、電気が消える現象が起こるなら、可能性大。
【対処法】リモコンのチャンネルを変更する
照明器具のリモコンには、1つのリモコンで複数の器具を操作できるように、2つのチャンネル設定機能が付いている場合があります。
このチャンネル設定が隣家とバッティングしている場合は、変更すれば、影響を受けなくて済みます。
取り扱い説明書を参考に
CH1←→CH2
このようにチャンネル設定を変更してみてください。
「おやすみタイマー/スリープタイマー」が作動した
照明器具によっては、一定の時間が経過したら自動的に切れるタイマー機能が付いています。
メーカーによって「おやすみタイマー」・「スリープタイマー」と名称は様々。
電気をつけて眠ってしまっても、30分後か60分後に自動的に切れるように設定できる便利機能です。
これを自分、もしくは家族の誰か(子供?)が誤って押したせいで電気が切れる場合もあるでしょう。
【対処法】リモコンを触れにくい場所に置く
おやすみタイマー/スリープタイマーのボタンは、点灯/消灯ボタンと並んで配置されているリモコンがあり、無意識に押してしまうこともありえます。
また、子供がイタズラしたり、偶然ペットが踏みつける場合もあるかもしれません。
そんな意図せぬ事態を防ぐために、リモコンは高い場所や、子供やペットが触れにくい場所に避難させておきましょう。
周辺の施設が一斉に大量に電気をつかう影響
お住まいの家の周囲に(一軒家でもアパートやマンションでも)
- 大規模な工場
- 大きなビル
などがないでしょうか?
工業団地の近くに住んでいるとか、近くに巨大なビル街があるとか。
そういった施設では、普通の家の何倍もの電力を使用します。
もし毎日同じ時間に電気が勝手に消える現象が起こっているとしたら、定時で作動する機械や設備が備わっているのかもしれません。
その時間になると、集中的に電力が使われ、電圧低下が起こるわけですね。
また、洗濯機を作動させたり冷蔵庫の使用などでも電圧低下が起こり、一瞬、電気が暗くなる場合もあります。
【対処法】電力会社に相談する
家中の電気(電力で動く電化製品)の電源が落ちるなら、こうした外部的な要因が考えらます。
特定の電化製品、あるいはあなたの家(部屋)だけでなく、周囲一体も同様の現象が起こっている可能性も。
その場合は、契約されている地元の電力会社に問い合わせてみましょう。
きっと自宅まで確認・点検にきてくれるはずです。
落雷や台風の影響
最近は気候変動によって異常気象が引き起こされ、落雷が以前より増えた気がします。
ピカピカドーンと近くで雷が落ちれば、一瞬、電圧が下がり、あたかも停電したように感じられます。
これが「電気が勝手に消えた」と勘違いする原因のひとつ。
送電線に雷が落ちると、停電を防ぐために、その送電線を電力系統から切り離します。
その切り離しに数秒かかり、その瞬間に電圧が下がるため、電気がチカチカと瞬いたり、あるいは消えてしまうこともあるんですね。
また、台風で樹木などが電線など電力設備に接触した場合も、同様の事態が起こります。
【対処法】雷が聴こえたら電源を切る
落雷による電圧の低下を防ぐことは、私たち一般人には不可能です。
今後、さらなる技術革新を待つしかありません。
さいわい照明器具などは、それで故障することはありませんから安心です。
しかし、パソコンやブルーレイレコーダーなどハードディスクが入っている機器は、旧に電源が落ちると故障する恐れが……。
それを防ぐには、遠くの方でゴロゴロと雷が鳴り出したら、用心のためにそれらの機器の電源を落としましょう。
突然の雷から電化製品を守るなら「雷サージ付き」のコンセントを使うのが一番ですよ。
電気が勝手に消えるのは霊のせい?
ある霊能者の話によると、霊は電気に反応しやすいそうです。
霊が音を立てたり家具を動かしたりする「ポルターガイスト現象」は映画にもなっているので有名ですよね。
そうした恐怖映画(怪談話)のなかでは、霊がいる場所では電気がついたり消えたりします。
ただ、私を含めて霊感がない(といわれる)普通の人には、それが本当なのかどうか、判断することは不可能です。
スピリチュアルなことに興味がある人は、電気が勝手に消える現象を「心霊現象だ」と信じてしまうのも無理ありません。
とはいえ、それを信じる前に今回ご紹介した9つの「考えられる原因」をすべて残らず検証してみてください。
意外と単純な原因のせいだったりするものですよ。
リモコン式電気が勝手に消えるのを完璧に防ぐ最終手段
ここまで読まれた方は、薄々気づいているかと思いますが、リモコン式の電気(照明器具)は、電気が勝手に消えたりする現象が起きやすいんですよ。
家の外、家の中、どちらの影響も非常に影響をうけやすいわけですね。
もしも、勝手に消える原因が突き止められない場合は、思い切ってリモコン式じゃない照明器具に変えてみるのはいかがでしょう?
私の実家では、リモコン式を使っていますが、いま住んでいる一人暮らしの部屋では、昔ながらの壁スイッチでオンオフをしています。
それでも別に不便は感じません。
というより、机の上にリモコンが一個増えるだけで邪魔だと感じてしまうのは、私だけでしょうか?
まとめ
電気が勝手に消える原因をざっくりまとめると
- 照明器具の故障か劣化
- 蛍光灯の寿命
- リモコンの誤作動
- 周囲の施設が大量に電気を使うせい
- 落雷や台風による電圧低下
- 周囲から飛んでくる電波のせい
- 自動的に切れるタイマーを設定していたせい
こんなところになります。
私の実家では、どうやら蛍光灯が寿命だったらしく、交換したらその後、正常に戻ったそうです。
心霊現象を否定するわけではありませんが、現実的な問題のせいで電気が勝手に消える可能性のほうがはるかに高いと思います。
そんな好例のひとつとして、参考になれば幸いです。
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