世間では実家暮らしに対する風当たりが強いですね。
一人暮らしをする人から「甘えてるよ!」って批判されていませんか?
「パラサイトシングル」なんて言葉まであるし、確かにイメージは良くありません………。
言い返したいけど、言い返すのが難しいですよね。
そこでここでは
- 実家暮らしは本当に甘えなのか?
- 他人から甘えていると思われる理由
- 「甘え度」のセルフチェック
などなど、気になる点を検証してみました。
私は一人暮らしが長いので、そちら側からの見方になりますが、なるべく中立の立場で判断していきましょう。
実家暮らしは甘えか?私の意見
まず私の意見から言っちゃいます。
実家暮らしをしている人の「全員」が甘えているとは1ミリも思いません!
つまり、実家暮らしで甘えている人もいれば、甘えていない人もいる……ということ。
私は20年も一人暮らしを続けて苦労してきました。
だから、どうしても20代・30代にもなって親元でヌクヌクと暮らしている人を見ると「甘えてるなぁ」とつい思っていまいます。
でも、それって自分の立場から見た「偏見」に過ぎません。
批判されても、気にしないのが一番!
現在、一人暮らしをしている人は「実家ぐらしは甘え」だと言い、実家で暮らし続けている人は「甘えてない」と自己弁護する……そういうものです。
「甘えてる」ではなく「自立していない」が正確
フラットな感情で考えれば、実家暮らしは一概には甘えとは言えません。
ただし、一人暮らしを「自立している」と規定すれば、実家暮らしは「自立していない」のは言い逃れができない事実です。
「自立」の意味を辞書で調べると、このように説明されています。
1 他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。「精神的に自立する」
2 支えるものがなく、そのものだけで立っていること。「自立式のパネル」
引用:goo辞書
親が建てた家に住み、親のルールに従って生活を送っている実家暮らしは自立しているとは言い難いでしょう。
とはいえ、一人暮らしをしていても、親から仕送りをもらっていたり、親が所有するアパートやマンションに住んでいたら、完全な自立とはいえません。
他人の金でゆうゆうと暮らしているのは「依存」です。
あくまで一人暮らしは実家暮らしより「自立度が高い」という表現が正確ですね。
実家暮らしが「甘え」と言われる4つの理由
実家暮らしを「甘えてる!」と大声で非難する人は、具体的にはこんな4つの点が癇に障るからなんですよ。
- 経済的に自立していないから
- 精神的に自立していないから
- 家事を自分でしていないから
- 優遇されている嫉妬から
相手の気持ちを理解するためにも、そのくわしい理由を知っておいてください。
経済的に自立していないから
まず一人暮らしの人がマウントを取ってくるのは、経済的(金銭面)で自立していない点。
一人暮らしをすると、以下の生活費をすべて自分で支払っているという自信が芽生えるんでしょう。
- 家賃
- 食費
- 通信費
- 交際費
- 服飾費
特に生活費のなかで大きな割合を占めるのが家賃。
衣食住の「住」はやっぱり負担がデカイです。
この家賃を実家暮らしの人は免除されているため、ここを重点的に攻撃してくる人が多いようです。
精神的に自立していないから
次に多いのが精神面で自立をしていない点。
精神的な自立って、とても曖昧で何を指すのかは人それぞれ。
ですが、実家暮らしの人を「いい年して親と同居してるなんてガキ」みたいな攻撃をしてくる人が多数。
たしかに、生活上の色んなトラブルを実家暮らしなら親が「防波堤」になって守ってくれているのは事実なので否定はできませんが……。
家事を自分でしていないから
一人暮らしをしている人は決まって
実家暮らしだと親にゴハンを作ってもらえて楽だねw
と攻撃してきませんか?
半分は愚痴、半分は相手を非難する意味が含まれています。
食事の用意以外も、汚れた衣類を出しておけば勝手に洗濯してくれるし、部屋が汚れていたら掃除機もかけてくれる。
公共料金の支払いだって、自分が関知しないところで親が勝手にやってくれる。
俗に言う「上げ膳据え膳」状態。
実家暮らしはこれらの時間的負担がないぶん、平日のアフター5や土日に遊び回っていられます。
そんなノンキな姿を見るとイラッとするのも、当然でしょう。
優遇されている嫉妬から
大学や会社の近くに実家がある人間は、そもそも一人暮らしをする必要がないため、自然と実家暮らしを続けてしまうもの。
そんな大学や会社がある都会に実家がある人を、田舎から上京してきて、生活費がキツキツで一人暮らしをしている人が見たら?
そう、まさしく「羨望の的」なんですね。
ただの憧れならいいですが、難癖をつけたり噛み付く人は嫉妬・やっかみを心の内側にかかえています。
人の感情のなかで「ヤキモチ」がいちばん怖い……。
その気持ちをストレートに「うらやましい」とは言えない(言いたくない)ために、実家暮らしは甘えてると言い換えているんでしょう。
やっかいですが、それが人の心情ってものです。
実家暮らしで甘えているか/甘えていないかセルフチェック!
自分自身が実家暮らしをして甘えているか、甘ていないか、セルフチェックしてみませんか?
こんな5つの条件に当てはまるか、自己診断スタート!
- 自分の健康状態(病気)の問題で実家で暮らしている
- 家の事情で仕方なく実家で暮らしている
- 目標や期限を決めて実家で暮らしている
- 自分や家族のための家事を率先してやっている
- 毎月必ず生活費を親に渡している
自分の健康状態(病気)の問題で実家で暮らしている
体や心の健康状態が悪いため、仕方なく実家で暮らしている。
それなら、胸を張って「甘えていない」といっていいでしょう。
障害や持病などがありながら、がんばって一人で暮らしている人もいらっしゃいますが、それは人それぞれ。
他人と「不自由度」を比べるのは意味なし、ですよ。
ですから、まったく恥ずかしく思う必要はありません。
家の事情で仕方なく実家で暮らしている
両親のどちらかが病気がち、兄弟姉妹に介護が必要な人がいる。
そうした事情から自分が実家にとって「支えとなる存在」で離れられないなら、実家暮らしをするのは当然です。
若いながら一家の大黒柱になってる人もいます。
たとえ生活費がいくらか節約になっていたとしても、それ以上に自分の時間を使って誰かのために動いているんです。
家賃や食費が免除されていても、その分の対価だと思えばいいでしょう。
目標や期限を決めて実家で暮らしている
「○○の資格を取るまで」、「結婚するまで」、「○歳になるまで」などなど……。
なんらかの明確な目標があったり、期限(デッドライン)を決めて実家で暮らしているなら、誰が文句をつけようが続けるべきです。
音楽で飯を食えるまでとか、小説の賞を獲るまでとか、そういうのはちょっとアレですが……。
逆になんの目的もなく、ただ楽をしたいからという理由だと甘えていると思われるのは当然でしょう。
自分や家族のための家事を率先してやっている
家事をすべてやるわけじゃなくても、自分が出来る範囲で炊事・洗濯・掃除などをやってる。
「家事」の面で率先して貢献をしていれば、ただの実家への寄生とは言えません。
お金の貢献も大切ですが、行動での貢献はそれ以上に大切だと思いますよ。
毎月必ず生活費を親に渡している
毎月必ず「生活費」として家にお金をいれている人。
金銭的な負担をしていれば、とりあえず「甘えている」状態からは脱しているといえるでしょう。
問題なのは、その金額。
個人的には自分の食費と家賃分は収めるべきと思いますが、実家が持ち家の場合、計算が難しいところ。
もし両親と子供1人(あなた)という家族構成の目安は
- 賃貸なら月々の家賃の3分の1
- 持ち家でローンを返済中なら、その3分の1
くらいでしょうか。
この金額は親との相談次第ですね。
実家暮らしを「甘えてる!」と批判されたときの5つの言い訳
一人暮らしをしている他人からしたら、実家暮らしのあなたは甘えて見えるのは仕方ありません。
そんな非難というか僻みを投げかけられたとき、サラッと受け流すための言い訳がこちら。
- 「実家が仕事場に近いから」
- 「親が結婚するまで家に居ろって言うから」
- 「貯金ができるから賢い選択だよ」
- 「親の面倒を見ないといけなくて」
- 「一人暮らしの人がみんな自立しているとは思わないけど」
「実家が仕事場に近いから」
非難を逆手にとって、実家が仕事場に近いというアピールをしちゃいましょう。
仕事場が町の中心部に近ければ、地方から出てきた一人暮らしの人には、ちょっとした自慢になります。
だから一人暮らしする必要ないんだ、みたいな。
ちょっとだけトゲのある発言になりますが、相手がしょうもないことで言いがかりをつけてきたのですから、返す刀でバッサリやっちゃいましょう。
「親が結婚するまで家に居ろって言うから」
女性なら全部親のせいにすれば、その場は収まります。
相手も「そうなんだ~」の言葉以上は出てこないはず。
ホントは一人暮らしをしたいんだけど、親が結婚するまでは家に居ろって、うるさくて……。
と、あたかも「親孝行」のために、自分がガマンしていると思わせたら大成功!
実際、世の母親・父親は娘には結婚するまでは家にいてほしいのが本音みたいですよ。
「貯金ができるから賢い選択だよ」
「一人暮らしって大変だよね~毎月お金がギリギリでしょ?」と相手の悩みに共感しつつ、実家暮らしは実は賢い選択なんだと説得します。
お金に対してシビアというか、ちゃっかりしている人だと思わせることができたら大成功!
相手はそれ以上、実家暮らしをなじってこないでしょう。
貯金額をアピールすると嫌味になるので、そこは抑えて。
実際、実家暮らしだと貯金が貯まりやすいので、お金を気にするなら少々の悪口なんて気にしていたらダメです。
「親の面倒を見ないといけなくて」
親が高齢で買い物や病院に行くとき「足代わり」にならないといけなくて……。
だから仕方なく実家に住んでいるんだ……。
こんな「悲劇のヒロイン」を装うのもひとつの手。
男性なら「悲劇のヒーロー」?
実際、自分の年齢が高くなるほど比例して親の年齢も高くなるもの。
30代を過ぎて実家暮らしの人は、親の事情を考慮しているんだと思わせておけばいいでしょう。
「一人暮らしの人がみんな自立しているとは思わないけどなぁ」
実際、そうなんですよ!
一人暮らしの人が全員自立した生活を送っているとは言えず、実家からの仕送りに頼っている人だってたくさんいます。
自炊をしないでコンビニ弁当ばかりだったり、家の中は足の踏み場もないほど汚れていたり……。
水道やガスを止められる人だっていますし。
自慢できるほどピッチリ整った生活をしている人のほうが珍しいくらい。
ただ、これを言ったら険悪になるので、相手を選んでくださいね。
実家暮らしのメリットとデメリット
親しい友だちから何度も実家暮らしの甘さを責められたら、誰だって心が揺らぐはず。
ここであらためて今後どうするか?、実家暮らしのメリットとデメリットを比較してみてください。
実家暮らしの5つのデメリット
社会の厳しさを知らないまま年を取る
一人暮らしを経験してみないと分からない日常生活の苦労はあります。
光熱費の支払いを忘れて電気が止められてしまったり、食べ物が腐ったり、賃貸の隣人とトラブルになったり……。
部屋を借りる経験もそうですね。
そんな社会の厳しさを知らないまま年を取ると、いつまでも精神的に子供のままかもしれません。
シビアな金銭感覚が身につかない
給料が月数万円のバイト代のみだったり、社会人になっても手取りでやっと10万円ちょっとだったり。
一人暮らしでは誰でも必ず貧乏なときを過ごすことになります。
人によって長さは違いますが、ずっと貧乏なままの人も……。
私も貧乏暮らしのエピソードは腐るほどあります。
そんな貧乏時代は、食費を1円単位で節約したり、寒くても暖房をつけないでガマンしたりすることは当たり前。
こうした辛い経験が一生役立つシビアな金銭感覚を養うんですね。
親のありがたみが分からない
食べたあとの食器が勝手にピカピカになっていたり、汚れたシャツがパリッと洗濯されていたり。
身辺を整えてくれることが、どれほどありがたいことだったのか、一人暮らしをしないと実感としては理解できません。
一人暮らしの生活では、汚れ物は自分で洗わないと汚いままだし、ゴハンは冷たいままですから。
親や兄弟との生活でストレスがかかる
10代の頃は親と言い合いになっても、大体はこちらのワガママが原因なので、怒られておしまいになることがほとんど。
でもこちらも大人になると「大人同士のケンカ」に発展するので、なかなか鎮火しません……。
これに家にいる兄弟とのケンカも加わると、相当なストレスになるでしょう。
恋人を作りにくい/結婚が遠のく
男性の場合「え~成人しているのに実家暮らしなんて!」と女性から冷めた目で見られます。
女性の場合は「実家暮らしだと家に呼んだり呼ばれたりしにくい」という理由から、恋人が作りにくく、結果的に結婚が遠のいてしまいます……。
男性の場合、実家暮らしというだけで対象外になることも。
もちろんまったく気にしない人もいますが、全体的に見たら恋愛面では自家暮らしはマイナス査定になりますよ。
実家暮らしの5つのメリット
生活費が節約できる(貯金ができる)
正直いって私自身、20代から30代前半にかけては、給料のほとんどが生活費に消えて、まともに貯金なんてできませんでした。
銀行の預金残高が3桁になったことも……
いまは徐々に給料もアップしたので貯金にまわす余裕はありますが、若いときはよっぽど節約生活をしないと無理ですね。
その点、実家暮らしなら生活費を家に入れて多少遊んだり買い物をしても、月に数万円単位で貯金できるでしょう。
実家暮らしと一人暮らしの貯金額を比較したら、一桁、二桁違うはず。
病気の時に親が看病してくれる
一人暮らしで一番心が折れそうになるのが、風邪など病気になって寝込んだ時。
欲しい物があっても自分では買い物にいけないし、かといって迷惑になるから友達にも頼めない。
恋人がいれば甘えられますが、いないときは八方塞がり……。
風邪をひいたときって意外なものが食べたくなりません?
その点、実家暮らしなら親に遠慮なく「ポカリ買ってきて」・「病院へ連れてって」と頼める安心感があります。
親が病気になったときにそばで看病できる
一人暮らしで電話で伝えられる親の不調って、不安感ばかりつのって心が痛くなります。
かといって実家は新幹線や飛行機に乗らないと行けない遠方だと、すぐに帰ることもできません。
一人っ子だと他に任せられる人もいないですし……。
その点、実家暮らしなら、すぐそばで看病できるし、何かあったときにも慌てず行動を起こしやすいでしょうね。
子供時代からの友人と遊びやすい
小学校から高校までの友人って、大学進学や就職を機に遠くへ引越してしまうと、その時点でほとんどが没交渉になってしまいます。
連絡を取るのは、限られた数人、それも親友と呼べる存在くらい。
その点、実家暮らしなら、移動をしないので、子供時代の友人といつまでも縁が切れず、気軽に遊びに行く関係が続きます。
親と過ごせる時間が長くなる
18歳で家を出て独立し、そのまま結婚して所帯をもつと、親と「ひとつ屋根の下」で暮らす期間って「たったの18年間」なんですよね。
考えたら、とても短い期間です……。
18年を日数に換算すると6570日間。
実家で暮らし続けたら、それが一年一年と長くなるので、これって考えたら貴重な経験って気がしてきませんか?
たとえ意見の相違でケンカをすることがあっても。
他人から実家暮らしで甘えていると言われないための3箇条
最後に他人から「実家暮らし?甘えてんじゃないの?」などと批判されないためのアドバイスを。
実家暮らしを続けるうえでの心構えというか、生活態度を確認しておきましょう。
大切なのはこの3箇条です。
- 家事を(精一杯)手伝おう
- 家に(大目に)お金を入れよう
- 外野の意見は無視して毅然としていよう
一番大切なのは、外野の意見なんて気にしないで自分の信念に従って生きることですね。
まとめ
実家暮らしだから甘えてるとか、一人暮らしだから自立しているからとか単純には言えないというのが私の結論。
ただ、世間一般の意見(偏見)では、甘えていると見られるのは仕方ありません。
それは甘んじて受け入れるしかありませんね……。
実家暮らしでも、生活費を払い、家事を負担して、親への依存を減らすことは可能ですよ。
涼しい顔で批判の声は受け流しましょう。
一人暮らしを経験しないと、いざ親が病気になったり亡くなった時に家事全般が出来なくて困るという意見もありますが、それはそのとき対応すればいいこと。
人間、いざとなれば、なんだってできますって。
若い時分に一人暮らしをして家事全般ができる人もいれば、苦手で出来ない人もいます。
年齢やタイミングは関係ないですよ。
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