味噌汁の汁を飲まない人、そもそも味噌汁自体を飲まない人が増えています。
特に若い人に多く、味噌の生産量はどんどん少なくなっているとか……。
ご飯と味噌汁のセットは「日本人の食事の定番メニュー」でしたが、洋食の普及でその習慣が変わってきているのは確か。
それに加えて健康意識の高まりで、味噌汁の塩分を気にして敬遠する人も増えているようです。
そこで、ここでは
- 味噌汁は飲まないのは損?
- 味噌汁を毎日飲んだほうがいい理由
- 味噌汁の汁を飲まない人の言い分
などなど、毎日ほとんど欠かさず味噌汁を飲んでいる管理人が解説していきます。
味噌汁を飲まないのは損してる?
味噌汁は「具だけ」を食べて、「汁を残す人」は世の中に多くいます。
割合的には「汁を残す人」は少数派ですが、7~8割くらいは飲んで「残りの汁は捨てるタイプ」の人を含めると、意外と多いようですね。
ですから、それを変とは言えません。個人の自由ですから。
ただ、味噌汁を作る側からすると、具だけ食べて汁を残すなんて、まるで「自分が作った味噌汁がマズい」と言われているように感じてしまうはず。
機嫌を損ねるのは確実でしょう。
一人暮らしで、自分で作った味噌汁の汁を残す場合やインスタントの味噌汁を残す場合は別に誰も文句は言えません。
でも、奥さんやお母さんに作ってもらった味噌汁の汁を残すのは止めたほうがいいでしょうね。
味噌汁の汁を飲まず具だけ食べる人の言い分
付き合った彼氏や彼女が、味噌汁の具だけ食べて「汁を飲まないタイプ」で愕然とした……なんて愚痴を聞いたことがあります。
結婚してから旦那や奥さんが「汁を飲まないタイプ」だと気づくケースも珍しくないようで……。
そんな特殊な食べ方をする人は意外と多くて、その人達の言い分(汁を飲まない理由)を聞いてみました。
すると、なんとなく理解できると言うか、許せる気持ちも多少はあるんですね。
その言い分(理由)がこちらの3つです。
- 実家では家族の間でそれが普通だったから(両親の影響)
- 少食でスープはたくさん飲めないから(体質的なこと)
- 味噌汁の塩分が気になるから(健康への配慮)
味噌汁は本来、出汁と味噌、具材から溶け出した旨味を味わうための料理です。
なので味噌汁のメインは具ではなく、「汁」にあるといって間違いありません。
その汁を残すくらいなら、最初から味噌汁を飲まないほうがいいよ!とキレたくなる気持ちはわかります。
でも残念ながら、育った環境が違うので「仕方がない」と諦めるしかないですね……。
汁を飲んだほうがいい味噌汁と、残したほうがいい味噌汁
ただし、健康面に配慮すると、必ずしも味噌汁の汁を一滴残らず飲み干さないといけないわけじゃありません。
なかには残したほうがいい味噌汁もあるんですよ。それを分けてご紹介しますね。
汁を飲んだほうがいい味噌汁
汁は絶対に残さないで飲んだほうがいい味噌汁がこの2種類です。
- 野菜や海藻が入った具だくさんの味噌汁
- 貝が入った味噌汁
野菜や海藻を味噌汁に入れて煮出すと、汁のほうにビタミン・ミネラル・カリウムが溶け出します。
そのため、栄養素を摂るためには汁を飲まないともったいないわけです。
また、しじみやアサリなど貝類が入った味噌汁の汁にはオルニチンやタウリンが豊富なので、これもグイッと飲み干しましょう!
汁は残してもいい味噌汁
逆にあえて飲む必要がなかったり、健康を害すのですべて飲まないほうがいい味噌汁がこちらです。
- 具が少ない味噌汁
- インスタント味噌汁
- ファミリーレストランや定食屋などの濃い味噌汁
ワカメが1~2枚しか浮かんでいなかったり、わずかな野菜しか入っていないものは具さえを食べれば、無理して飲み干す必要はありません。
もちろん味噌汁の汁自体に、味噌の栄養は含まれていますが、それは微々たるもの。
また、塩分が多そうなインスタントや外食でセットで付いてきた濃い味噌汁も、あえて全部飲む必要はないでしょう。
味噌汁を飲むと塩分の摂り過ぎになる?
結論からいうと、塩分の摂り過ぎは気にしないで味噌汁は飲んだほうがいいと断言します。
たしかに味噌汁には塩分が含まれていますが、他の食べ物と比べて突出して多いわけではありません。
たくさん飲まない限りは、心配する必要はないはずです。
げんに私は平均して1日1回味噌汁を飲んでいますが、血圧測定で「高い」と診断されたことはないですよ。
それ以上に「味噌」には体の健康にとってプラスになる栄養素がたくさん含まれていますので、毎日飲んだほうがいいでしょう。
味噌汁を毎日飲んだほうが良い3つの理由
なぜ味噌汁を飲んだほうが良いかというと、こんな3つの理由からあるからです。
- 野菜・海藻・豆腐が摂取できるから
- 味噌には体に良い成分がたくさん含まれているから
- 塩分は意外と少ないから
今や世界中からヘルシーで健康的だと称賛される日本食。
その一端を担うのが味噌汁だと思うんですよね。
(1)野菜・海藻・豆腐が摂取できるから
現代人の多くが野菜不足だと言われています。
野菜というと生野菜(サラダなど)として食べるイメージが強いですが、味噌汁に野菜を入れて食べても同じことです。
しかも味噌汁だと野菜を茹でて溶け出した栄養素すら、茹で汁(味噌汁の汁)ごと飲めるのでロスがないのは大きなメリット!
一人暮らしの若い人はなかなか口にする機会がない海藻(わかめ)や豆腐が自然と摂取できるのも味噌汁の素晴らしい点ですね。
栄養素として、豆腐からは大豆たんぱく、海藻からはミネラル類が摂れますよ。
(2)味噌には体に良い成分がたくさん含まれているから
味噌は大豆を使った「発酵食品」です。
発酵食品は健康に良いイメージがあると思いますが、味噌には特にこんな素晴らしい成分と効果が揃っているんですよ。
- 大豆ペプチド(疲労回復やリラックス効果)
- レシチン(コレステロールの吸収を抑える)
- サポニン(コレステロール値を下げる)
- リノール酸(シミの防止や美白効果)
- メラノイジン(生活習慣病の予防)
- 水溶性食物繊維(腸内環境を整える)
すごくないですか?
発酵食品にはヨーグルトやチーズいろんな種類がありますが、なかなか毎日は摂りづらいもの……。
その点、味噌汁なら自然と毎日の食事に取り入れられますよね。
日本人が世界的に見ても長生きなのは、味噌汁の恩恵も無視できないはず。
また、胃がんや乳がんの発生率を下げるという調査結果もあるというので、もう飲まない理由はないでしょう。
(3)塩分は意外と少ないから
味噌汁を飲まない人の最大の理由が「塩分が多い」点ではないでしょうか。
でも、それって誤解なんですよ。
味噌汁一杯に含まれる塩分の量は1.2gほど。想像より少ないと感じませんか?
では、比較対象として他の料理や食べ物はどれくらいの塩分量なのか、チェックしてみましょう。
料理名 | 塩分量 |
味噌汁 | 1.2g |
コンビニのおにぎり(紅鮭) | 0.9g |
ラーメン | 6g |
カップ麺(カップヌードル醤油味) | 5.2g |
ハンバーガー | 1.5g |
ミートソーススパゲティ | 2.8g |
牛丼(並) | 2.7g |
カレーライス | 2.3g |
食パン(6枚切り) | 0.8g |
味噌汁はあくまで汁物でありメイン料理ではないので、単純には比較できません。
ただ、それでも塩分が特別多くないことが、このデータから分かりますね。
1日の塩分摂取量と味噌汁の塩分量
1日に摂取していいとされる塩分の上限がこちらです。
- 男性⇒8.0g未満
- 女性⇒7.0g未満
仮に1日に3杯味噌汁を飲むと
になるので、他の料理の塩分との兼ね合いを考えると摂り過ぎになる可能性もあります。
しかし、1日1杯くらいなら何の問題もないでしょう。
しかも、味噌汁の具として定番のワカメなどの海藻を入れると、摂りすぎた塩分を排出する手助けをしてくれるんですよ。
それが海藻類に含まれる「カリウム」のちからなんです。
若者の味噌汁離れが進んでいる?
「若者の○○離れ」はいろんなジャンルで言われる昨今。
車離れ・テレビ離れ・新聞離れなどが有名ですが、そこに「味噌汁離れ」も加わってきたとか。
味噌汁を飲まない人の理由とその反論
味噌汁を飲まない人たちに「なぜ飲まないのか?」直接聞いてみたり、ネット上の意見を拾ってみた結果、こんな理由が集まりました。
- 味噌汁はメイン料理ではなく添え物だから無くても困らない
- 洋風のスープのほうが好き
- 味噌汁は具材が限られる
- 出汁を取るのがめんどうくさい
- 食事が洋食や中華がメインだから飲む機会が少ない
- 家に味噌を置いていない
- 暑い季節に熱い味噌汁を飲みたくない
- 血圧が高いので控えている
- ファストフードやコンビニ食ばかりだから必要ない
- 一食分だけ作るのがめんどうくさい
- お腹がふくれない
- 大目に作っても腐ってしまう
- 味噌汁の最後に残る大豆の粒粒の食感が嫌い
- コンロが一口しかないので作るのが面倒
ストレートに「味噌汁が嫌い」という意見は案外ありませんでした。
そもそも飲む機会がなかったり、作るのが面倒だったりして飲まない人がほとんどのようです。
【反論】味噌汁は作りやすくてポテンシャルが高い料理
味噌汁を飲まない人の理由をチェックすると「誤解してるな」・「思い込みが激しいな」と思う点がたくさんありました。
そこでいくつかピックアップして、反論していきます。
- 出汁を取るのがめんどうくさい⇒出汁入り味噌や顆粒だし(ほんだし)を使えば楽
- 味噌汁は具材が限られる⇒トマトやピーマンなど洋風の具材も意外と合う
- お腹がふくれない⇒豚汁みたいに油で炒めた肉やイモ類を入れるとボリュームが出る
- 大目に作っても腐ってしまう⇒味噌汁は長期保存も可能
- 味噌汁の最後に残る大豆の粒粒の食感が嫌い⇒味噌を入れる時「味噌こし」を使えば排除できる
味噌汁はしょせん添え物で「なくても困らない料理」だと軽視されますが、具材を工夫すればメイン料理として並べても見劣りしません。
昔の日本では「一汁一菜」といって
- ご飯
- 味噌汁
- 漬物
の3点だけで食事を済ませていました。
ですから、味噌汁も「おかず」の一品になり得るんですね。
昔と今では食卓に並ぶメニューは様変わりして、それだけでは物足りないかもしれません。
でも、味噌汁のポテンシャルって本来はもっと高いんだと思いますよ。
そんな味噌汁をまとめて作った場合、どれくらい日持ちするのかはコチラの記事をご覧ください。
味噌汁が日持ちする時間や日数は?常温で保存する唯一のコツ
味噌汁が東日本では飲む人が多く、西日本ではあまり飲まれない理由
味噌の消費量を調査すると、東日本は多く西日本は少ないという実態が分かってきました。
そういえば関西出身の私の友人もあんまり味噌汁を飲みませんね。
それはどうしてなのか、考えられる理由がコチラです。
- 関西は「だし文化」が強く、すまし汁もよく飲むから
- 料理によって味噌汁ではなくスープを飲むから
- パンを食べる機会が多いから
本当かどうか分かりませんが、こんな説が有力です。
たしかに関東圏の私の実家ではハンバーグとかステーキなど洋風料理がメインでも、いつもと変わらず味噌汁を飲んでいましたね。
逆にスープを飲む機会は月にせいぜい1回くらい。
この他にも、こんな説もあります。
戦国時代の強い武将がいた地域では、戦(いくさ)の際に味噌が保存食として活用され、それにともなって名物の味噌が生まれたから味噌汁が定着した。しかし、関西では大きな戦が少なかったため、「味噌文化」が発展・習慣化しなかった説。
そんな戦国武将と関わりが強い味噌の産地がこちら。
- 八丁味噌(愛知県:徳川家康)
- 仙台味噌(宮城県・伊達政宗)
- 信州味噌(長野県:武田信玄)
このようにやっぱり東日本に偏ってます。
なかでも長野県は現在有名な味噌メーカーであるマルコメ・ハナマルキ・タケヤ味噌の発祥地。
味噌がいかに時代背景と食文化が結びついているか、よく分かりますね。
味噌汁を最後に飲むのは変?
他人と一緒に定食屋などで食事をすると、決まって味噌汁を最後に飲む人がいます。
その理由を聞くと、「猫舌で冷めてからじゃないと飲めないから」と答えますね。
ただ、味噌汁の本来の役割は、ご飯やおかずが喉に詰まりそうになったときに、飲み下すためのもの。
よく食事のマナーで言われる「三角食べ」のように
この順番で食べるのが最も理にかなっていますし、美味しさを最大限に引き出しますね。
味噌汁がいらないメニュー
個人的に「今日の食事には味噌汁は要らないな」と感じるのが、以下のメニューです。
- カレーライス(ハヤシライスも含む)
- ピザ
- お好み焼き
- 焼きそば(焼きうどんも含む)
ラーメンや日本そばは汁気があるメニューなので当然。
そう考えると味噌汁って案外毎日食べないものなんですね。
まとめ
味噌汁を飲まない人も多いですが、私は男の一人暮らしながら自分で味噌汁を作って飲んでます。
やっぱり健康のためにも味噌汁は毎日飲むべきだと信じているんですね。
その理由がこの3点。
- 野菜・海藻・豆腐が摂取できる
- 味噌には体に良い成分がたくさん含まれている
- 塩分は意外と少ない
一人で暮らしていると一人分の味噌汁を作るのが面倒で、若い世代ほど家では飲まなくなるのも理解できます。
でも、コンビニ弁当に温かい手作り味噌汁があるだけで気分的に全然違うと思うんですよね。
コメント
私は四国で生まれたので味噌汁をあまり飲んでいないんです。でも、味噌汁の味は好きです。
四国の方が味噌汁をあまり飲まれないという話は初耳です。
そういった地域性で馴染みが薄い人もいるんですね。