以前、新築のアパートに入居者第一号として住んだことがありました。
建てたばかりのピッカピカで「これなら当分ゴキブリは出ないだろう」と油断していたんですね。
しか~し、2~3週間後に、小さなゴキブリが出現!
まだ殺虫剤なんて用意してなかったし、ゴキブリが大の苦手なので見て見ぬ振りをしようかな…………。
そう思った矢先、ふと目に止まったのがマジックリン。
たまたま私でも恐怖感が薄い小さなゴキブリだったので、思い切ってマジックリンを噴射してみたんですね。
それで、どうなったかというと……ここでは、その顛末のほかに
- ゴキブリにマジックリンをかけると死ぬ?
- 効果がある理由と効かない理由
- マジックリンでゴキブリを退治する方法
などなど、気になる点をまとめました。
今まさにマジックリンを手にして、ゴキブリに対峙しているあなたのお役に立つはずですよ。
ゴキブリにマジックリンをかけると死ぬ?
まず結論からいいますと、ゴキブリにマジックリンをかけると死にます。
意外なほどあっけなく死んだので、私もびっくりしたくらい。
マジックリンをかけてから、絶命するまで時間がどれくらいかかるか?は、こちらの動画をご覧になるとよくわかりますよ。
【再生注意!】動く本物のゴキブリが映っています。
だいたいマジックリンをかけてから「20~30秒」くらいで死にますね。
敵ながら、ちょっとかわいそう……。
やってみるとわかりますが即死とはいかないまでも、わりとあっさり死んでくれるのでジタバタ暴れ回ることはありません。
コロンと仰向けにひっくり返って、脚や触覚の動きが止まっていれば99%死んでいると判断してOK!
あとでネットで調べたら、ラッキーで効いたのではなく、ちゃんとしたゴキブリに効く根拠があったんですね。
たまたま弱っていたゴキブリだったからとか、小さい種類のゴキブリだったから効果があったわけじゃありません。
では、なぜ「効いたのか?」その理由を説明していきましょう。
ゴキブリ退治にマジックリンが効果がある理由
ゴキブリにマジックリンをかけると死んでしまう理由は、「窒息」してしまうから。
人間などの哺乳類や鳥類は口や鼻から空気を吸い込み、呼吸をしています。
しかし、ゴキブリなどの昆虫は身体にある「気門」から空気を吸い込んで呼吸をしています。
気門とは、ゴキブリの胸やお腹に20個ある小さな穴のこと。
この気門は意図的に閉じたり開いたりできないため、細かい毛と油で水が入りこまないように防いでいるんです。
このゴキブリの防御機構を無効にしてしまうのが、マジックリンに含まれる「界面活性剤」。
界面活性剤は水と油をくっつける働きがあるため、気門を守っている油ともくっつき、水をはじく効果を無効化します。
そうするとゴキブリの体の中へマジックリンの液体が入り込んでしまい、水に溺れたように窒息してしまうんですね。
というわけでゴキブリ退治にマジックリンが効果があるのは、科学的な根拠があったんです!
ゴキブリにマジックリンにかけても「効かない説」が流れている理由
インターネットで調べると、ゴキブリにマジックリンをかけても効かないという話もチラホラと見かけます。
長年マジックリンで退治してきたけど、最近はどうも効果がないと感じる人もいるようですね。
それって本当なのか、私なりに推理してみました。
マジックリンに耐性がついたせい?
ゴキブリにある特定の殺虫剤を続けて使用していると、耐性がついて死ななくなるというのは本当です。
飲食店などで大量に駆除をしていると、明らかに効かない個体が出てきて困っている話を効いたことがあります。
こういう種類を「スーパーゴキブリ」といって、本来は致命傷になる薬剤の散布にも耐えてしまうのだとか……。
しかし、耐性がつくという説は完全に誤解です。
マジックリンでゴキブリを殺せるのは、マジックリンの毒性のおかげではなく、界面活性剤が窒息させているからなんですよ。
単純にいえば、水に溺れて「溺死」するのと一緒。
ですから、それに対して耐性がつくとは考えにくいわけです。
ゴキブリに命中しなかったせい?
ゴキブリの気門(呼吸器)は身体の側面に20か所あります。
ここをすべて塞がないと窒息はしないため、ゴキブリの体全体にまんべんなくマジックリンを吹きかける必要があるんですね。
でもゴキブリはすばしっこいので、「体の一部」にしか当てられず逃げられてしまうことケースだって有りえます……。
体の一部にしかマジックリンがかからないと、当然ながら窒息までには至りません。
そんな経験から
ゴキブリにマジックリンは効かない
と、ネットに書き込んでしまう人がいてもおかしくありませんね。
マジックリンでのゴキブリの殺し方手順
では、そんな事情を踏まえて、マジックリンでゴキブリを確実に殺す方法を解説していきましょう。
用意するものは「液体タイプ」のマジックリン。
台所用の「粉末つけ置きタイプ」は適さないのでご注意ください。
なるべくならスプレー式(スプレーボトル)のマジックリンが適しています。
「バスマジックリン泡立ちスプレー」が正式な商品名。
蓋を開けるとタラ~っと液体がでてくる普通のボトルタイプだと、動き回るゴキブリには命中させるのが難しくなりますから。
手順を説明したいところですが、実際は難しいところはありません。
- ゴキブリの位置を確認する
- マジックリンを噴射する
- しばらく様子を見る
- まだ動いているなら、もう一度噴射する
- 完全に死んだか確認する
これで完了です。
ゴキブリを逃さず手早く退治するコツ
ゴキブリをマジックリンで退治するときに大切なのは、確実にゴキブリにマジックリンをヒットさせること。
そのために覚えておきたいコツが以下の2点になります。
壁際に追い込む
ゴキブリは広い場所だと、360℃どこの方向に逃げるか読みづらいです。
闇雲にマジックリンを噴射してもヒットしません……。
まず冷静になってゴキブリを壁際に追い込み、左右どちらかしか逃げられないようにします。
そうしたら、ゴキブリは頭が向いているほうにしか動けませんので、「頭が向いた進行方向」に照準を定めてブシューっとマジックリンを噴射してください。
これでめでたくヒット成功ですよ!
ケチらずにガンガン噴射する
マジックリンは殺虫剤のような神経に作用する毒性はありません。
ほんの少し泡がかかったくらいでは効果がなく、全身が泡に包まれるくらいじゃないと気門を塞いで窒息させることはできません。
なので、マジックリンをもったいがらず、ガンガン噴射しちゃいましょう。
ゴキブリ全体を泡で包んでしまったほうが、死骸を捨てるときにも抵抗感が薄れるのでいいですよ。
ゴキブリをマジックリンで殺した後の処理と後始末
ゴキブリをマジックリンで殺した後は死骸を片付けて、床や壁を清掃しないといけません。
マジックリンの泡にまみれて、仰向けにひっくり返った状態ならまず死んでいると思います。
しかし、あとで蘇生する可能性も考えて、死骸をゴミ袋に入れたら口をきつくキュッと閉めておきましょう。
死骸を捨てたら、最後にゴキブリが這い回った床や壁の掃除へ。
できれば使い捨てのゴム手袋をつけて、ティッシュやペーパータオルでマジックリンの泡を拭き取ります。
捨てる予定のボロ雑巾があると便利ですよ。
ゴキブリは食中毒のもとになる菌を保有しているため、普通だったら除菌スプレーを使って除菌したほうが安全です。
でも、その点、マジックリンならそもそも「除菌効果」を持っているので、それは不要になります。(一部のマジックリンは除く)
メスのゴキブリが卵を落としていると、それが孵る恐れがあるので、念の為に掃除機をかけておくと安心です
マジックリンでゴキブリを退治するメリット&デメリット
マジックリンでゴキブリを退治するのって、殺虫剤がないときの「仕方ないから使う」感が強いと思います。
でも、意外にもマジックリンならではのメリットも確かにあるんですよ。
もちろん、逆にデメリットもあるので、それを承知のうえで判断して使いたいですね。
全メリット・デメリットをリストアップしたので、ご覧あれ。
7つのメリット
(1)叩く必要がないので死骸が飛び散らない
ハエたたきや丸めた新聞紙でゴキブリを叩くと、絶対にグチャッとつぶれて体液が飛び出たり、脚や羽根がとれて部屋に散乱します。
まるでグロいホラー映画みたいに……。
その点、マジックリンで退治する方法なら、部屋に点々とマジックリンの泡が飛び散るくらいで、惨劇のあとが残りません!
殺虫剤の危険な成分も撒き散らさないので健康面でも安心ですね。
(2)経済的な負担がない(コスパが良い)
ゴキブリ用の殺虫剤って一本が千円近くする商品もあって、けっこう高額。
その点、マジックリンなら台所やお風呂の掃除のために必需品ですから、あえて特別に購入する必要がありません。
よって経済的な負担がゼロなんですね。
寂しいふところに優しい退治方法と言えます。
(3)離れた場所から攻撃できる
ゴキブリが苦手な人にとって(私がそうですが)、ハエたたきやスリッパで叩くなんてことはまず無理。
だって、ギリギリまでゴキブリに近づかないといけないじゃないですか?
その点、マジックリンなら少し離れた場所からでもブシューっと噴射できるので心理的に楽なんです。
ゴキブリに近づかなくても退治できる点が最高!
ただ、殺虫スプレーほど遠隔攻撃はできないので、ちょっとだけ距離を詰める必要はありますが。
(4)細かい泡が出るのでゴキブリの動きを封じ込める
ゴキブリってご存知のように俊敏でいて、トリッキーな動きをする生き物。
だからサラッとしたサラッとした成分の殺虫スプレーだと、多少かすってもスイスイ逃げられてしまいます。
その点、スプレータイプのマジックリンなら、泡がドロっと粘着してくっつくので、案外あっさりゴキブリの動きを封じ込めてくれます!
「捕縛(ほばく)」という表現がドンピシャ!
泡の力で動きを抑えて、なおかつ窒息させるので、全身にかかれば、もうそれで完全に動きはストップしますよ。
ゴキブリ退治で最悪な、取り逃がしたヤツが飛んでコチラに向かってくるような事態は起こりにくいです。
(5)香りが良い種類もある
商品にもよりますがゴキブリ用の殺虫剤って、かなり鼻につんとくる刺激臭があったりします。
冷房のために閉め切った室内で使うと、気分が悪くなるくらい。
その点、マジックリンならミントやシトラスの香りがつけてあるので、不快感は薄いですね(一部の商品は除いて)。
とはいえ、一応、使った後は換気のために窓を開けましょう。
(6)除菌効果があるので後片付けが楽
ゴキブリを退治したあとは、奴らが持っている不潔な菌を除菌するために、念入りな掃除が必要になります。
アルコール除菌スプレーなどを使って、床を拭き掃除しないといけないんですね。
その点、マジックリンなら除菌効果を持った商品が多いので、殺菌を目的とした掃除は不要になります。
除菌効果をもつ主なマジックリンがこちら。
- キッチンマジックリン消臭プラス
- マジックリンハンディスプレー
- バスマジックリン泡立ちスプレー
- トイレマジックリン消臭・洗浄スプレー
くわしくは花王の公式サイトでご確認ください。
(7)取り逃がしても耐性がつかない
ゴキブリ退治に特定の殺虫剤を繰り返し使い続けていると、耐性がついて「スーパーゴキブリ」に進化すると言われています。
殺虫剤が効かなかったゴキブリ同士から新しい子供が生まれて、更に強くなるという悪循環になるとか。
少年マンガの悪役がパワーアップしていくみたいな。笑
その点、マジックリンなら毒で退治するというより、水で窒息させて退治する仕組みなので、そんな耐性がつくことはあり得ません!
もし取り逃がしたとしても、次に出会うときは耐性がついていることはないので安心してください。
2つのデメリット(注意点)
(1)スプレー式じゃないと命中させるのが難しい
説明するまでもないですが、ゴキブリは高スピードで走れるスーパーな才能を持っています。
その標的(ゴキブリ)にピンポイントで当てるには、さながら凄腕のガンマンのような反射神経が求められますね。
ですから、押すとピューっと一本の線状に液体が出てくるボトルタイプのマジックリンではヒットさせるのが非常に難しいです……。
もし当てられても、かなりの無駄撃ちを強いられるでしょう。
私はマジックリンの4分の1くらいを消費しちゃいました……。
それにこのボトルタイプのマジックリンだと出てくるのは液体なので、ゴキブリの動きを拘束することはできません。
というわけで、ゴキブリを退治するときに使うのは「スプレーボトル」に入ったマジックリンに限られます。
(2)使える場所が限られる
マジックリンはそれぞれ台所用・住居用・お風呂用・トイレ用と「場所別」に商品が用意されています。
それはなぜかというと、使う場所の壁や床を傷めないための配慮なんですね。
お風呂用はお風呂でしか使えませんし、台所用も基本的には台所でしか使ってはいけません。
そのルールはゴキブリ退治においても適用されるので、お風呂用のマジックリンをリビングのフローリング材の床に使うことはできません。
なので「取り回し」という意味で、案外「自由度が低い」というデメリットがあるわけです。
バスマジックリンでゴキブリを退治できるのは風呂場だけ
ここまでの説明ですでに理解されているとは思いますが、あえてもう一度繰り返します。
バスマジックリンでゴキブリを退治するときは、お風呂場のなかでしか使えません。
他の部屋(台所やリビングなど)で使うと、床や壁、家具などを傷める危険性があるので絶対におやめください。
マジックリンはゴキブリ退治に使ってはいけない?
ゴキブリにマジックリンが効果があるなら、もっとメーカーはアピールしたらいいのでは?と思っちゃいますよね?
ひとつの商品で掃除とゴキブリ退治に使えるんですから、一石二鳥というか一挙両得の商品なんですから。
でもあえてメーカーがそれを大々的にアピールしないのは、理由があるんですね。
メーカー側はあくまで掃除用品として開発・販売しているため、ゴキブリ退治に使うことは想定していません。
たとえば、トイレ用マジックリンを台所の壁に止まっているゴキブリに吹きかけたら、壁紙の色が抜けて白くなってしまったとか。
- お風呂場にいるゴキブリならバスマジックリン
- 台所にいるゴキブリにならキッチンマジックリン
こうやって使い分ける知識があればいいのですが、知らない人のほうが多いのは当然……。
ですから、こういう被害は十分起こる可能性が高いんです。
賃貸アパートやマンションに住んでいると退去時に補修費用を請求される恐れも……。
ですから、表向きでは「使ってはいけない」というスタンスなんですね。
【大事なポイント】マジックリンでゴキブリを退治するときは、ゴキブリの出現場所に合ったマジックリンを使う。
もしそれで部屋の内装や家具を傷めたとしても、自分の責任とする覚悟が必要ってわけです。
ゴキブリ退治でマジックリンの代用になる候補5選
「ゴキブリが出た場所でも使えるマジックリンじゃなかった」と使う前に気づけたあなたはラッキーですよ。
じゅうたんが色落ちしたり、賃貸マンションの壁を損なったりする事態を避けられたのですから。
そんなときは、マジックリンの代用になるこんなモノが家の中にないか探してみてください。
- 台所なら→食器用洗剤
- お風呂場なら→カビキラーかカビハイター
- フローリングなら→シャンプーかボディーソープ
それぞれの場所に合わせて、こんな代用候補がありますよ。
これらのグッズに共通しているのは、すべてに「界面活性剤」が含まれている点。
マジックリンと同じ様にゴキブリにかけると、界面活性剤が作用して体の油を無効化し、窒息させて退治することが可能です。
まとめ
ゴキブリはマジックリンで退治できるのか、そのやり方やメリット・デメリットをお伝えしてきました。
今回の記事のまとめがこちら。
- ゴキブリはマジックリンで退治可能
- 界面活性剤が油を落とすため効果がある
- 全身にかければ20~30秒の短時間で死ぬ
- 壁際に追い込み、泡で包み込むように噴射する
- 場所に合わせてマジックリンの種類を選ぶ必要がある
たとえばバスマジックリンが家にあっても、それが家中のすべての場所でゴキブリ退治に使えるわけではありません。
その点だけはくれぐれも留意くださいませ。
ゴキブリにカビキラーをかけると即死?効果は凄いが注意点も
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