あのゴキブリってヤツは突然現れるから怖いですよね。
私の家で以前よくあったのが、お風呂に入ろうとしたらバスタブの中にいたり、石鹸置きのあたりをうろついていたこと……。
こういうとき一刻も早くゴキブリを視界から消したくて、シャワーでゴキブリを排水溝に流してしまうことがありませんか?
でも、ゴキブリって水に流しただけで死ぬの?
あとで排水溝を這い上がってこないかな?
そんな不安がいっぱい。
台所やトイレの排水口に流したときも、その瞬間はホッとしますけど、あとのことを考えると憂鬱です……。
そこで、当記事では
- ゴキブリは排水溝に流すと死ぬ?
- 排水口から上がってくる可能性はある?
- 排水溝に流したゴキブリを確実に殺す方法
などを解説します。
ゴキブリと戦い続けて20年以上の私におまかせあれ。
ゴキブリを排水溝に流すと溺れて死ぬ?
ゴキブリも私たち人間と同じように呼吸をして酸素をとりこんでいるので、空気を吸えなくなったら窒息死します。
しかし、ゴキブリは身体を油で覆っていて水をはじくため、少しの間、水中に沈めたくらいでは死にません。
つまり、排水溝にただ流しただけでは「ゴキブリは死なない」と考えるのが正解です。
羽と身体の間に蓄えた空気があるので、そのおかげで呼吸ができます。
ちょっと水に浸かったくらいでは死にません……
排水溝にゴキブリを流した場合、水と一緒に排水溝の奥へと流れていっても、やがて水で満たされてない管の部分にたどり着くと予想されます
ですから、溺れ死ぬとは考えにくいですね……。
ゴキブリは排水溝から上がってくることがある?
ゴキブリは排水溝の口(排水口が正しい呼び方です)あたりによく出没しますよね?
だから人間には見えない排水管の内部を這い上がってきて、そこから侵入してくるように思えてしまいます。
その疑いははたして本当なのか、お風呂と台所と洗面台・トイレに分けて解説します。
お風呂場の排水溝の場合
お風呂の排水溝には「排水トラップ」が設置されているため、まず100%ゴキブリが這い上がってくることはできません。
お風呂場の排水溝には
- 椀トラップ(ワントラップ)
- ドラムトラップ
のどちらかが設置されているのが普通です。
この2種類の排水トラップは、ゴキブリなどの害虫が排水管から侵入するのを防いだり、悪臭が排水溝から室内に逆流してくるのを防ぐ役割があるんですね。
ゴキブリは水面の上を泳ぐことはできますが、自ら潜ることはができないため、このトラップを通り抜けることは実質不可能なんです。
しかし、築年数が古い建物だと設置されていないケースも……。
その場合にはゴキブリが侵入してくる可能性は大いにあります。
台所の排水溝の場合
台所にも当然ながら排水トラップが付けられており、だいたいどの家でも椀トラップ(ワントラップ)の仕組みのものが付いています
この椀トラップは「お椀」のようなものが排水溝にかぶさった構造で、その下に水が溜まるのでゴキブリなどの害虫の侵入や下水の臭いをシャットアウトしてくれます。
また、椀トラップの他に排水管がS字になった「Sトラップ」、Pの字の形をした「Pトラップ」を採用されている場合も。
このどちらもゴキブリの侵入を防いでくれる仕組みなんですね。
ただ、こちらも一部の家(アパートも含む)では設置されていないケースもあるので、その場合にはゴキブリが下水から上がってくる可能性があります。
洗面台や便器の排水溝の場合
洗面台の場合は、洗面台の下にある扉を開けると見えるようにS字型をした「S字トラップ」が付いていることがほとんど。
便器の場合は、便器の底のあたりにいつも水が溜まっている様子が見えるように、それ自体がトラップになっていて、そこでゴキブリなどの害虫や下水の臭いをガードしているんですね。
水洗便所ではまずこうしたトラップが付いているのが普通です。
目で確認できますよね?
というわけでトイレの便座からゴキブリが上がってくることはまず考えられません。
排水溝に流したゴキブリを確実に殺す5つの方法
水のいきおいにまかせてゴキブリを排水溝に流しても、それだけではゴキブリは死なないことがほとんど。
それを知ってしまうと、精神的に「いつゴキブリが排水口から顔を出すか」と不安で仕方ありません。
そこで先手を打って、確実にゴキブリの息の根を止める手立てを5つご用意しました。
水を大量に流す
ゴキブリの息の根を止めるというわけにはいきませんが、大量の水を流してしまえば、まず排水トラップの向こう側の排水溝まで流れてしまいます。
なので、ヤツらが二度とこちらに帰ってくることはありません。
やり方はいたってシンプルで、桶などに水を溜めて、それを一気に排水口に流すだけ。
一度に大量に流せば小さなゴキブリの身体など流れに逆らえず、はるか遠くの下水管まで流れていってしまうでしょう。
熱湯を流す
「ただ遠くに流すだけでは物足りない!」、「ゴキブリを殺してこそ退治したことになる!」
そんな固い決意をお持ちの方は、熱湯を流す方法がオススメ!
ゴキブリは60度以上の熱湯をかければ死ぬといわれています。
ただ、排水溝に熱湯を流すと、そこに溜まっている下水と混ざってしまうため、ゴキブリに届くまでに温度が下がってしまうはず。
ですから、ここは念を入れて100℃に沸かした熱々の熱湯を排水溝に流し込んでやりましょう。それもできれば多めに(1リットルくらいは必要かと)。
薬品や洗剤を使わないぶんエコですし、そのあと掃除する手間もいらないので楽ちんですね。
排水溝の素材によっては熱湯(100℃前後)には耐えられず、故障するケースもあります。
台所の排水口には日常的に熱湯を流す場合が多いため平気かと思われますが、それ以外の場所では傷んで修理が必要になる場合もありますからご注意ください。
殺虫剤を流す
もっと確実にゴキブリの息の根を止めたい!
という方は、ゴキブリ用の殺虫剤を流してしまいましょう。
排水溝に殺虫剤を流すと、どうしても水で薄まって効果が半減してしまうので、かなり多めに排水溝に向かって噴射してください。
かなりコストのかかる方法ですし、水を汚すことにもなるのであまり勧められませんが、一番確実な退治方法と言えますね。
食器用洗剤を流す
ゴキブリ用の殺虫剤が手元にないけど、確実にゴキブリを殺さないと気分が晴れないという方は、台所で食器洗いに使っている食器用洗剤を持ってきましょう。
桶やタライなどに水を入れて、そこに濃い目に食器用洗剤を溶かします。そして、排水口から一気にそれを流し込む!
食器用洗剤には「界面活性剤」という成分が入っており、これがゴキブリの油のガードを解除します。
すると、どうなるか?
そう、ゴキブリの水耐性がなくなって、溺死するんですね。
殺虫剤を流すよりは後の始末が楽ですし、水を汚す罪悪感は薄れますので、こちらのほうがお勧め。
シャンプーやボディーソープを流す
ゴキブリをお風呂場の排水溝に流した場合は、シャンプーやボディーソープでトドメをさしましょう。
シャンプーやボディーソープにも界面活性剤が含まれているので、食器用洗剤を流したのと同じ効果が得られます。
つまりゴキブリに付いている油を取ってしまい、水に溺れさせてしまうわけですね。
こちらも使い方は同様で洗面器などに水を入れて、そこにシャンプーかボディーソープを溶かします(なるべく濃い目に)。
そして、それをドバドバっとお風呂の床やバスタブにある排水口めがけて投入。
この方法なら殺虫剤や食器用洗剤を使うよりも身体への影響はないため、そのあとの掃除は不要なのが最高ですね。
ゴキブリが排水溝から上がってくる原因と対策
どうみてもゴキブリが排水溝から上がってきているに間違いない!、そんな確信がある場合。
あらためて書くまでもないですが、ゴキブリが排水溝から上がってくる原因は「排水トラップが設置されていない」からなんですよ。
ただ、素人では排水トラップが設置してあるか、確かめるのは難しいかもしれません(女性の場合は特に)
その場合には、排水トラップがないという前提で対策を立てないといけませんね。
では、排水溝からゴキブリが上がってこなくする対策をチェックしていきましょう。
排水溝からゴキブリが上がってこなくする対策
いちばん確実なのは水道業者に頼んで排水トラップの確認や設置をしてもらうことです。
もし、そんな暇や金銭的な余裕がないときは、とりあえずの応急処置として、以下の対策を試してみてください。
排水口にネットかぶせる
一番手っ取り早くて確実なのが、排水溝の出口である「排水口の網の部分」にネットをかぶせること。
ホームセンター等で目の細かいネットを購入し、排水口の内側にそれを入れて侵入を防ぎます。
台所の排水口もお風呂の排水口も意外なほど大きな隙間が空いているので、それくらいの隙間ならゴキブリはゆうゆう通過……。
排水口にかぶせたネットで、それをガシッとガードするわけですね。
ネットをかぶせておくと、水と一緒にゴミまで流れないでそこに留まるので、排水溝の詰まり防止にもなりますよ。
エサになる物を置かない
台所の排水口の部分に生ゴミを溜めておくタイプがありますが、それはゴキブリを自ら招き寄せているようなもの。
それを目当てにゴキブリが排水管を上ってやってきている可能性が高いので、生ゴミは溜めずにすぐ捨てるようにしましょう。
排水口にサラダ油や料理の汁を流さない
使い終えたサラダ油(揚げ油)をそのまま排水溝に流すと、詰まりや水を汚す原因になります。
こうしたサラダ油はもちろん、ラーメンの汁など脂分の多い料理の食べ残しを排水溝に流すのもゴキブリを惹き寄せるエサに……。
面倒でも油は固めたりして、ゴミとしてちゃんと正しいルールを守って捨てるようにしてください。
髪の毛を溜めない
お風呂場の排水口には洗髪した際に抜けた髪の毛が溜まるのが普通。
ついつい面倒でそのまま何日も(何週間も)放置することがありますが、この髪の毛もゴキブリにとってはエサになります。
1本残らずは無理でも、なるべく溜めないようにしましょう。
こまめに清掃し乾燥させる
ゴキブリは水気があって不潔な場所が好み。
排水溝は日常的に使う上でどんどん汚くなりますし、人が寝静まったあとでも水気があって濡れているのが当たり前です。
そんなゴキブリにとって最適な環境を作らないよう、こまめに清掃し、なるべく水気をはらって乾燥させるようにしてください。
ヌメリを取る
ゴキブリが排水溝に集まる原因のひとつがヌメリ。
ヌメリは食べカスや油などが腐敗して菌が繁殖して、排水口のまわりにこびりついていきます。
このヌメリもゴキブリの大好物なんですね。
なんとも、おぞましい……。
ゴキブリを喜ばせないようヌメリを根こそぎやっつけるには「キッチン泡ハイター」を排水口にスプレーし、そのあと「パイプハイター」を排水溝に流すと奥の方の手が届かないところまでしっかり取り除くことができます。
ゴキブリ対策としてだけでなく、臭い対策にもなるのでぜひトライしてみてください。
排水溝から上がってくるのはチャバネゴキブリ
排水溝から上がってくるゴキブリの種類はチャバネゴキブリがほとんどです。
チャバネゴキブリは一般的に私たちがイメージする真っ黒なゴキブリ(クロゴキブリ)とは違い、全身が薄い茶色。
それにくわえて狭い排水口の蓋をすり抜けて侵入できるのは、チャバネゴキブリの子供だったりしますので、ゴキブリ以外の別の虫だと誤解する人も多いようです。
茶色くて米粒みたいな小さな虫でも立派なゴキブリ。
容赦せず退治して、増やさないようにしたいですよね。
まとめ
ゴキブリを排水溝に流すとどうなるか、そんな疑問を中心にお伝えしてきました。
今回の記事の要点をまとめると
- 排水溝に流しただけではゴキブリは死なない
- 排水溝に排水トラップがないと上がってくる可能性がある
- 排水溝に流したゴキブリを殺すには熱湯・洗剤・シャンプーが有効
このようになります。
昔に建てられた家、古い賃貸アパートではそもそも排水トラップが設置されていないケースもあるので、そのときは排水口にネットを張るのが一番の対策。
私みたいにゴキブリが苦手な人は、必ず一度や二度、排水溝にゴキブリを流して退治した経験があると思いますが、それだけではまず奴は死にません!
念には念を入れて、確実に仕留めてくださいね。
ゴキブリがお風呂にいて入れない!完璧な対処法を7つ解説
コメント
排水溝に熱湯を流したら排水管が壊れたため修理することになりました。
耐熱温度が沸騰したお湯より低いそうです。
熱湯を使う方法を試す方はお気をつけください。
そのような場合もあるんですね。家によって使われている建材が違うためでしょうか。貴重な情報をありがとうございました。記事内にも注意喚起のため追記しておきます。